ha ha ha 考える歯

「私のオアシス」 針木 康雄さん(針木事務所 主幹)

ニューオータニガーデンコートの7階にある田北先生の歯学センターは、私にとってオアシスかサロンのように思えます。 治療の前にロビーで先生とおしゃべりをしていると、必ずと言っていいほど、治療にきた共通の友人に出会います。三人、四人でしゃべりこんでいるうち、治療の時間がなくなって、出直す破目になることがあります。
一つは、先生とマーケット(?)共通だと言うことです。
私の取材相手が、即、先生の患者なんですね。お互い、質のいい人たちとつきあっている、ということでしょうか。
第二に、先生は聞き上手といいますか、人の話を丁寧に聞いてくれ、極めて間のいい対応をしてくれること。気分よく語りあっているうちに、時が過ぎていくわけです。
先生の治療の話のなかで、一番納得したのは、治療は「土木工事と同じなんです」という表現でした。拙速に行う土木工事では、あとで災害が襲ってきますが、しっかりと時間をかけて土木工事をすると、どんな災害にあっても土砂崩れするようなことはないということです。
ですから、我々患者も、先生とはじっくりと時間を取って、中長期的に治療をうけることだと思います。先生と出会ってもう十年近くたっています。初めは前歯四本のインプラントの装着でした。「針木さんは骨が丈夫だからー」といわれ、おかげさまで、自分の歯以上に何でも噛めるようになりました。

二、三年前、左右両側の奥に新たに二本ずつ、計四本、インプラントを入れました。これは美容上の問題でした。それまでは大きく笑うと、前歯の奥に歯がなくて不気味な笑いに見えました。
これで前歯のインプラントが計八本。美容上と思って増やした歯が想像以上に活躍してくれて、いまでは何でもばりばり食べています。結果的に土木工事がしっかりしている事で、十年間、快適に過ごしているわけです。
つまり、田北先生はインプラントの名人と言うことでしょう。以上のことを過去形で話すと、まるで弔辞のように聞こえますが(笑)、実は先生、昨年、心臓を病まれて、ご自身の言い方では、死線をさまよって帰ってこられたそうです。
患者にとって厄介なのは、主治医に先に逝かれることです。先生は幸い、私より数年、若いと聞いています。願わくば、私より先に逝かないでもらいたい。たしかに立派な後継者(ご長男とご次男)がおられますが、何と言っても、同じ世代の先生が一番頼りになります。益々の摂生をお願いいたします。